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親権者の決め方


■未成年の子供がいる夫婦が離婚する場合には、どちらかの親を親権者に決めなければいけません。これが夫婦の話し合いにより決まっているなら何の問題も発生しないのですが、夫婦双方が親権者の地位を(様々な理由で)争うことが多々あります。


■どちらが親権者になるかどうしても本人たちだけで決められない場合は、家庭裁判所に親権者の調停申立てをして、調停もしくは審判で親権者を決めることになります。


■この場合は「まず調停、調停で決まらなかったら審判」「調停せずに、いきなり審判」のどちらの段取りでもOKです。もし、審判でどちらかを親権者とする審判が下された場合で、それを不服とする場合には、2週間以内に異議を申し立てて、家庭裁判所に離婚訴訟を起こすことになるでしょう。


「子どもの利益と子どもの福祉」を重視して親権を決める


■審判で親権者を決定する際には、家庭裁判所の調査官が、子供のまわりの家庭環境や当事者である夫婦双方の調査を行い、どちらが親権者としてふさわしいかを検討します。


■お金がたくさんあり経済的に裕福な方が有利、こんな職種だから不利だとはいちがいには言えません。ですので、「父親が大金持ちなら、父親が親権者になるべきだ」とか「水商売している母親なんて親権者にはさせない」と即決定されるわけではないのです。親権者は子供の利益や子供の福祉を十分に考慮した上で決定されます。「〜だから絶対に○○が親権者だ!」とはならないのです。


母親は親権者になりやすい!?


■過去の家庭裁判所のケースを見ると母親が親権者になることが圧倒的に多いようです。これは、男性が親権者としてふさわしくないという意味ではなく、実際の子供の世話、子供の教育環境などの観点から検討した結果、「母親と一緒のほうが、子供にとっては生活しやすい環境だ」と判断されることが多いからでしょう。子供が幼ければ幼いほど、そのような傾向になりやすいようです。


■種々の条件がほとんど同じ、離婚原因が母親にある場合などは、父親が親権者に選ばれることもあります。必ず父親が親権者になれないというわけではありません。


親権者の決定基準とは何か?


裁判となった時に決定基準として考慮されやすいものを抜粋してみました。この基準が必ず応用されるわけではありませんが、参考資料としてご覧ください。


子供と接する時間があるかどうか
男性でフルタイムの仕事をしている人が不利になりやすい項目です。実家の援助がある、実家で暮らすなどで金銭的不安がなく、子供と長時間一緒にいられる母親には有利な項目でしょう。


経済的な条件
誤解されることが多いかもしれませんが、経済的な事情とは、親権者決定の際、必ずしも最重視されるわけではありません。経済的に豊かな方が親権をとれるというわけではないのです。


本人の健康状態
これは当然の項目と言えるかもしれません。本人が入退院を繰り返すなど病弱な上に、まわりからの援助も得れそうでないような状態だと、現実的に考えて子供を育てるのは難しいかもしれません。


子供の年齢、子供のまわりの環境
例えば「10歳以下なら、子供は母親と一緒のほうがいい」とか「もう16歳だから本人の意思を尊重しよう」などの見方ですね。さらに、住む場所が変わることによって転校しなければならない点なども考慮されるかもしれません。


まわりの助け
まわりで子供との生活を助けてくれる人を「監護補助者」と言います。祖父母をはじめとする親族が該当することが多いでしょう。また、乳幼児保育施設などを監護補助者として立てることもできます。


離婚の原因、責任
例えば浮気が原因で離婚した場合で、浮気した方が親権の取得に際して不利になるかどうか?ということですね。日本では離婚原因を作った方(有責配偶者)が不利になるという法律はないです。あくまで「子供のしあわせ」が優先基準の最上位になります。ですが、まったく考慮されないわけではなく、他のあらゆる条件が同じで、夫婦双方が親権を主張すれば、有責配偶者が不利になることもあるでしょう。


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